TOPPING D30Pro レビュー
2021年03月21日 公開

発売されたばかりのTOPPING D30Proが予定より早く届きました。気になってる方もいると思いますので取り急ぎ簡単なレビューをしたいと思います。
D30ProはDACチップにCirrus LogicのCS43198を4基搭載したTOPPINGのミドルクラスのDACです。価格は4万円で同じ中華オーディオメーカーのS.M.S.L SU-9の対抗馬といったところです。
ただ、価格がSU-9の方が2割ほど高いせいもあり、トータルのスペックではSU-9の方が上です。DSDがSU-9の512に対してD30Proは256、PCMサンプリング周波数も768kHzに対して382kHzと見劣りしてます。が、実際のところこんな数字はまったく意味がないと思っているので問題なしです。768kHzどころか382kHzですら聴こえる人間なんていませんし、そもそもうちのスピーカで再生できない周波数なんですからこんな数字競争なんて意味ないです。
むしろ注目すべきはDACチップにCS43198を4基搭載している点です。CS43198はボーカルの艶やかさに定評のあるチップです。それを贅沢にも4基使っているのですから、俄然興味が湧くというものです。
なお以下のレビューは本来なら比較対象としてSU-9が望ましいのですが、生憎所有していませんので、ランクは下がりますが同じS.M.S.LのSU-8となります。

左SU-8、右D30Pro
サイズは横幅でSU-8の方が若干あるくらいで、ほぼ同じサイズです。



端子の並びは逆ながらほぼ同じかんじですが

1点違うところはD30Proには主電源のスイッチがある所で、通常はONのまま使います。なお、使うときは前面のボリュームノブやリモコンでON、OFFできる上、信号を感知すると自動で電源がONになり、無信号状態が一定時間続くとOFFになります。

付属の電源コードは3ピンタイプになります。対応の電源タップや変換アダプターが無い人は要注意です。

比較はTP60にそれぞれ接続し、随時切り替えながら試聴しました。
聴き始めた時点での感想としては、両者でそれほど差が無いというところでした。価格やスペックから過度の期待をしていたせいもあるのですが、D30Proの音は拍子抜けするほど普通に感じました。むしろSU-8の方がメリハリがあって良さげに聴こえるような・・・
しかし、暫く聴きこんでいくうちにこの感じは逆転します。D30Proは全域でフラットな再生をしており、SU-8は低域と高域を持ち上げたいわゆるドンシャリなのです。またそれにともないボーカルが引っ込み遠くなる上、若干ノイズが乗ってるようです。
D30Proは一見地味なようですが、SNが高いので音の純度が高く、特にボーカルの艶やかさが特徴的です。女性のボーカルなどはきめが細かくシルキーな響きを聴かせてくれます。全域でのバランスもいいため、聴き疲れすることなくずっと聴いていられます。
低域はSU-8のほうが出ているように聴こえますが、D30Proの方が上品で余韻があります。D30Proを聴いた後ではSU-8の低域は不自然に聴こえてしまいます。高域もこれと同じでD30Proの上品さが際立ちます。
と、D30Proを持ち上げましたが、この差は両者をよく聴き比べての話であり、単体で聴いた場合は価格差ほどの違いを実感できるかは疑問です。1万3千円の差にしては物足りないのが事実です。確かに違いはあるのですが1万3千円の価値はあるのかなあ~・・・・
もし今からDACを買うというのであればD30Proを買った方が正解です。上を見ればきりがありませんが、4万円でこの音なら十分満足できると思います。一方、すでにSU-8のを所有していて満足しているなら買い替える必要は無く、もし買い替えるならもっと上のグレードにした方が満足できると思います。
となると自分としては今回買わない方が良かったかというとそうでもなく、やはりこの艶やかなボーカルを聴くと後戻りはできないなあと思うのです。費用対効果は高くありませんでしたが、それでも少しは良くなったのですから良しとします。
ただ、価格がSU-9の方が2割ほど高いせいもあり、トータルのスペックではSU-9の方が上です。DSDがSU-9の512に対してD30Proは256、PCMサンプリング周波数も768kHzに対して382kHzと見劣りしてます。が、実際のところこんな数字はまったく意味がないと思っているので問題なしです。768kHzどころか382kHzですら聴こえる人間なんていませんし、そもそもうちのスピーカで再生できない周波数なんですからこんな数字競争なんて意味ないです。
むしろ注目すべきはDACチップにCS43198を4基搭載している点です。CS43198はボーカルの艶やかさに定評のあるチップです。それを贅沢にも4基使っているのですから、俄然興味が湧くというものです。
なお以下のレビューは本来なら比較対象としてSU-9が望ましいのですが、生憎所有していませんので、ランクは下がりますが同じS.M.S.LのSU-8となります。

左SU-8、右D30Pro
サイズは横幅でSU-8の方が若干あるくらいで、ほぼ同じサイズです。



端子の並びは逆ながらほぼ同じかんじですが

1点違うところはD30Proには主電源のスイッチがある所で、通常はONのまま使います。なお、使うときは前面のボリュームノブやリモコンでON、OFFできる上、信号を感知すると自動で電源がONになり、無信号状態が一定時間続くとOFFになります。

付属の電源コードは3ピンタイプになります。対応の電源タップや変換アダプターが無い人は要注意です。

比較はTP60にそれぞれ接続し、随時切り替えながら試聴しました。
聴き始めた時点での感想としては、両者でそれほど差が無いというところでした。価格やスペックから過度の期待をしていたせいもあるのですが、D30Proの音は拍子抜けするほど普通に感じました。むしろSU-8の方がメリハリがあって良さげに聴こえるような・・・
しかし、暫く聴きこんでいくうちにこの感じは逆転します。D30Proは全域でフラットな再生をしており、SU-8は低域と高域を持ち上げたいわゆるドンシャリなのです。またそれにともないボーカルが引っ込み遠くなる上、若干ノイズが乗ってるようです。
D30Proは一見地味なようですが、SNが高いので音の純度が高く、特にボーカルの艶やかさが特徴的です。女性のボーカルなどはきめが細かくシルキーな響きを聴かせてくれます。全域でのバランスもいいため、聴き疲れすることなくずっと聴いていられます。
低域はSU-8のほうが出ているように聴こえますが、D30Proの方が上品で余韻があります。D30Proを聴いた後ではSU-8の低域は不自然に聴こえてしまいます。高域もこれと同じでD30Proの上品さが際立ちます。
と、D30Proを持ち上げましたが、この差は両者をよく聴き比べての話であり、単体で聴いた場合は価格差ほどの違いを実感できるかは疑問です。1万3千円の差にしては物足りないのが事実です。確かに違いはあるのですが1万3千円の価値はあるのかなあ~・・・・
もし今からDACを買うというのであればD30Proを買った方が正解です。上を見ればきりがありませんが、4万円でこの音なら十分満足できると思います。一方、すでにSU-8のを所有していて満足しているなら買い替える必要は無く、もし買い替えるならもっと上のグレードにした方が満足できると思います。
となると自分としては今回買わない方が良かったかというとそうでもなく、やはりこの艶やかなボーカルを聴くと後戻りはできないなあと思うのです。費用対効果は高くありませんでしたが、それでも少しは良くなったのですから良しとします。