燦Mサイズの仕様が変更されました
2021年02月23日 公開

”燦のMサイズ”は発売から随分と年数が経っていてこれまで1度も仕様変更が無かったのですが、今回初めて仕様変更が施されることになりました。
今まで仕様変更が無かったのはその必要が無かったからという事でもあるのですが、昨年の”麻の葉格子”の制作を機に改良の余地があることに気づかされ、発売以来初めての仕様変更となった次第です。

仕様変更とはいっても実際のところ大した変更では無く、横の部材の本数を1本増やすという簡単なものです。
上の画像左が旧型で右が新型になります。新型は完成品の画像が無いため間に合わせの画像で見にくくて恐縮なのですが、横の部材が2本から3本に増えているのが分かると思います。
僅か1本の違いなのですが、これが強度の観点から見た場合思いのほか違いがあり、触っただけで違いを認識することができます。

先にも書きましたが、この仕様変更のきっかけになったのは昨年発売の”麻の葉格子”です。
”麻の葉格子”は麻の葉組子を”燦Mサイズ”に合体させたもので、当然ベースは”燦M”になります。ただ、両者の組子パターンを合致させるためには”燦M”の横材の間隔を変更しなけなりませんでした。その結果横材が2本から3本となり、全高も1センチ高くなりました。そこで多少の違いはあるものの、基本的には同じようなものなので、両者を同じ材料で作れるよう統合することにしました。
組子は縦と横の部材に刻まれた溝どうしを噛み合わせるもので、その溝は自動機によって作られます。横材が2本から3本になるということは機械のプログラムが別になるということです。つまり”燦M”と”麻の葉組子”それぞれのプログラムが必要になるということなのですが、実はこのプログラム数が増えるというのは、うちにとって切実な問題なのです。
溝を作る自動機は20年以上前のもので、保存できるプログラム数は99までと制限されています。今では考えられない低スペックですが、当時はメモリーが高価な上、99を超えるプログラム数が必要になるとは想定外だったのでしょう。勿論拡張機能はありません。しかしうちのように多品種少量生産では99のプログラム数では全く足りません。今は工夫して何とかやりくりしてますが、プログラム数が増えるのは避けたいというのが切実な願いなのです。
そんな事情もあり今回一つのプログラムで済すむ上、強度も確保できるという一石二鳥の仕様変更になったわけです。
Amazonでの販売は撮影ができる春以降になりますが、展示会や店舗販売では間もなく開始となります。また弊社ウェブの画像も春まで旧型のままとなりますのでご理解宜しくお願いします。