
まずは組子の材料ですが、上の画像の一種類のみです。
ひし形に組むので溝はこの様に斜めに付いています。そして、この斜めの溝こそが最大の問題なのです。
溝自体は機械で切っていくのいですが、その際溝の間隔が少しづつずれてしまうのです。機械自体は正確に動いているのですが、材料に対して斜め方向に力が掛かるためにずれが生じるのではないかとエフは思っています。
ずれと言っても僅かなので組むこと自体は出来ますが、それでは次の工程に支障がありすぎて話になりません。
ちなみにどんな感じかというと、

手前から奥に向かって伸びている部分が緩やかに曲がっているのが分かると思います。
見た目にも悪いですが、枠を付ける祭に真直ぐになるよう削らなければならないので、このままでは支障があります。
そこでこの問題の解決法となるわけですが、

まずは右側のものですが、10本を1束にまとめテープでしっかり固定し端を整えます。テープで固定するのはもちろんですが端を揃えるところがポイントです。
以前は材料に無駄が出ないようにと溝に合わせて斜めにずらして並べていましたが、今はずれの要因と考え止めました。
そして、欲張って一度に沢山やろうと束ねる数を決して多くしないことです。多いとずれやすくなると同時にずれ自体が大きくなります。
真中は更に表面にテープを貼ったもので、左はそれに溝を切ったものです。なぜ表面にテープを貼るかというと、

こうならないためです。
これの原因ですが、高速で回転するカッターの刃が通過する時、材料が振動しカッターの刃に引っかかる為ではないかと推測しています。なのでその振動を抑える為にテープで表面を固定しているわけです。
こういった材料がはじける時の衝撃や僅かな振動がずれの要因であることは十分に考えられることです。もちろんそれ以前に材料が動かないようにしっかり固定しなければならないのは当然ですが。
こういった対策のおかげで現在では、

このようにだいぶ真直ぐになりました。「正確に組む」とはこういうことなのです。
説明すればただこれだけのことですが、ここまで来るのには試行錯誤の連続で多くの時間と労力とを費やしてきたのです。
何事も一朝一夕にはいかないということですね。
第1回はここまで。
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